老猫の呼吸が早い! 飼い主さんが愛猫にしてあげられること

2023.04.01
老猫の呼吸が早い! 飼い主さんが愛猫にしてあげられること
いつもマイペースでゆったりのんびり過ごしている老猫の呼吸が早いことに気づいたとき、飼い主さんとしては心配が募ることでしょう。確かに、呼吸の早さは猫に異常が起きているサインのひとつだといえます。しかし、その際に大切なのは、焦らずに落ち着いて対処すること。この記事で老猫の呼吸が早くなる原因、早くなったときの対処法についてお伝えしますので、ぜひお役立てください。
目次



老猫の「呼吸が早い」の判断基準


老猫の呼吸が早いと感じられるとき、正常の範囲なのか、それとも異常なのか、判断の目安となるのが呼吸の回数です。1分間にどれだけの呼吸をしているか数えてみましょう。運動直後や興奮しているときは避け、リラックスしているときと、熟睡しているとき、2つのパターンでカウントしてみてください。

リラックスして目覚めているときは1分間に40回まで、睡眠時は25回までが正常な範囲です。これよりも呼吸の回数が多い場合は、猫に何かしらの異常が起きている可能性があります。

なお、猫の呼吸のカウント方法は次の通りです。
猫の呼吸は、吸うときに胸がふくらみ、吐くときに胸がへこむという動きでわかります。この「吸って吐く」、つまり「ふくらんでへこむ」を1回と数えてください。1分間、ずっと猫の動きを注視しているのは大変なので、30秒間の動きを数えて2倍し、1分間の数としてもかまいません。

ただ、猫は体が小さいこともあり、胸の動きがとらえにくい面があります。猫の体格や毛並みにもよりますので、愛猫をよく観察しながら、いちばん動きをとらえやすい体勢を探してみてください。寝ているときのほうが胸の動きが把握しやすくなるので、まずは寝ているときに数えてみると、コツがつかめます。

老猫の呼吸回数と併せて注意したい呼吸の異常


老猫の呼吸の回数が早いと感じたときは、どのような呼吸をしているか、その様子にも気を配ってみてください。もしも次のような様子が見られたら、猫に異常が起きている可能性があります。

まずは、口を開けて呼吸をしていることです。人間や犬は口で呼吸することもありますが、猫は基本的に鼻で呼吸をします。そのため、猫が口を開いて呼吸をしているのであれば、かなり呼吸が苦しい状態に陥っているケースもあるのです。

口は開いていないものの、肩で大きく息をしていたり、鼻の穴を大きくふくらませて息をしていたりというときも、何かしらの異常が起きているサインのひとつだといえます。呼吸の早さはそれほどではないとしても、お伝えしたような様子が見られたときには、速やかに動物病院を受診したほうがいいでしょう。命に関わる危険性もあります。

老猫の呼吸が早い原因


次に、老猫の呼吸が早くなる原因について見てみましょう。原因は、熱中症、ケガ、病気など多岐に渡ります。

熱中症は、夏の暑い時期だけの症状ではありません。冬に暖房を効かせすぎることでも熱中症になりますし、興奮しすぎてなることもあります。汗をかかない猫は呼吸によって体温を下げようとするため、呼吸が早くなるのです。呼吸の早さに加え、苦しそうにぐったりしている、体が熱いというときは、熱中症の可能性があります。なお、毛の黒い猫、長毛種に分類される猫は体に熱がこもりやすく、熱中症になりやすいので気をつけてください。

ケガをして痛くてつらいときも、呼吸の回数に影響を及ぼすことがあるとされています。誤って高いところから落ちたときなども興奮して呼吸が早まることもありますが、その後、通常に戻れば心配はありません。時間が経っても呼吸が早い場合は、目に見えるケガはしていないにしても、骨が折れていたり内臓に障害が起きていたりすることがあります。また、食べ物以外のものを誤って飲み込む誤飲も、気道が細くなるため息がしにくくなり、呼吸が早くなるので、ぜひ覚えておいてください。

病気でいうと、腎臓病や糖尿病なども呼吸が早くなる原因のひとつとして挙げられます。貧血や、体液の恒常性が崩れているために起こると考えられています。また、肺炎や肺水腫など、呼吸の要である肺の病気も呼吸を早くする原因です。そのほか、心臓病、胸水や腹水で呼吸が早くなることも。これらの病気の中には、早急な治療を要するものもありますので、早めの受診が大切です。

老猫の呼吸が早いときの対処法


原因はさまざまですが、老猫の呼吸が早いときにはどう対処したらいいのでしょうか。確認しておきましょう。

冒頭でもお伝えしたように、気持ちを落ち着けて様子を観察することが何よりも大切です。呼吸数が改善するきざしがあるかどうか、呼吸の早さ以外に異常と思われる症状が出ていないか、体は熱くないか、ふだんと異なる点はないかといったことを確認します。メモをとるだけでなく、動画を撮影しておくと、診察の際に役立つので余裕があれば撮っておきます。

なお、猫は自らにとって楽な姿勢を自然にとっています。飼い主さんの判断で抱き上げたり、体勢を変えたりといったことはしないようにしましょう。

観察してみて、様子が明らかにおかしいと思うときには、すぐに受診の準備をしてください。興奮するとさらに呼吸数があがってしまうので、できるだけ無用な刺激を与えないようにすることも心がけていきましょう。


老猫の呼吸が早いと感じたら、焦らずに呼吸数をカウントしながら、老猫の様子を観察してみてください。口を開けていたり肩で息をしたりなど、呼吸に明らかな異常が見られる場合は、ケガや病気の可能性も否定できません。老猫を興奮させないように注意しながら受診の準備をし、必ず獣医師の診察を受けてくださいね。
監修者プロフィール

牛尾 拓(ウシオ タク)

経歴:岩手大学農学部獣医学課程卒業。動物病院勤務、製薬会社の学術職などを経て株式会社V and P入社
保有資格:獣医師免許



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