獣医師が解説!7歳からの猫のシニア期ケア: 腎臓病・関節炎・糖尿病の症状と対策

2023.08.16
獣医師が解説!7歳からの猫のシニア期ケア: 腎臓病・関節炎・糖尿病の症状と対策

 

一般的に7歳になるとねこちゃんもシニア期を迎えます。 シニア期になると見た目はまだまだ若くて 元気に見えても、加齢によるリスクが高まってきます。

愛猫が健康に長生きできるよう、シニアになったら気をつけたい猫の病気を知っておきましょう。

シニアになったら気をつけたい猫の病気

腎臓病

腎臓のはたらきが衰えて、老廃物の排泄や水分調節がむずかしくなります。 気分が悪くて食欲が落ちたり、吐いたり、口が臭くなったりなどの症状がでてきます。症状がでる頃には、機能している腎臓はすでに25%以下になっています。

尿がうすくなって量が増えたり、水を飲む量が増えたりするのが、 症状とし て早めにわかる見た目の変化です。 早期発見、早期治療が何より重要です。

健康に見えても、7歳を過ぎたら動物病院へ定期的に検診に行き、 症状がでる前の段階で発見して、早めにケアが始められるようにしましょう。

関節炎

高齢猫の6~9割が関節炎を持っているといわれています。痛みがあると高いところへ上らなくなったり、 グルーミングや爪とぎが減ったり、気性が荒く なることがあります。

体重過剰は足の関節に負担がかかりますが、 関節炎の痛みがあると動きが減って、体重が増えやすくなり、ますます関節に負担がかかるようになります。

猫は痛みを隠すので、日頃からささいな変化に気づいて あげることが重要です。 また、 元気なうちから、関節や体に負担をかけないように適切な体重管理をすることが大切です。

糖尿病

猫に多いのは、体の細胞が、 エネルギーとなる糖をうまく使えなくなって血 液中に糖がたまり、その糖が尿にでてしまうタイプの糖尿病です。

水をたくさん 飲んだり、 尿の量が増えたり、やせてしまったり、免疫力がおちて感染症にかか りやすくなったりします。 猫も糖尿病になると、インスリン注射をしたり、食事管理をして治療していくことになります。

肥満している猫は糖尿病にかかりやす いといわれています。 日頃から適切な体重管理をしていきましょう。 適正体重 がわからない場合や減量する場合は、動物病院へ相談するとよいでしょう。


こんな症状が出ていたら要注意

□ 水を飲む量が増えた
□ トイレに行く回数が増えたり、 尿の量が増えた トイレを失敗することが多くなった 減量しているわけでもないのに体重が減る 嘔吐、下痢、便秘など消化器の不調 毛づやが悪くなったじっとしている、または寝ている時間が増えた
□ 遊びや運動量が減った
□ 機嫌が悪く、触ると嫌がることが多くなった

おうちで気をつけること

□ 毎日の飲水量を把握して、 変化がないか確認する
□ お水はどこでも飲めるように、猫がよく行く場所に複数置いておく
□トイレは清潔を保ち、排泄物の量・色・頻度を 毎日確認する
□トイレは猫が利用しやすいように 入り口の高さを低くする
□ 触らせない、近寄らなくなったなどの 変化がないか注意する
□ 猫が落ちつける静かな場所をつくる お気に入りの場所にやわらかくて 快適な寝床をつくる
□カーペットやマットを敷いてすべらない環境にする 食事の姿勢が楽になるように、食事トレイや水入れを少し高めの台に置く
□ 定期的に体重を測って、体重の変化がないか確認する
□ シニア期に適した栄養バランスの整った食事をあたえる
□食事で不足しがちな栄養はサプリメントなどで補完する


目に見えない変化に気づくためには、少なくとも年に1~2回は動物病院で検診することが大切です。


おうちでの愛猫の様子に何か気になることがあれば、早めに動物病院に相談しましょう。

監修者プロフィール

神尾 匡惠

Vetz Petz 獣医師
保有資格:獣医師免許

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